夏期講習①高校2年生 英文を速く読めるようになりたい

英語学習
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今年は高校2年生の夏期講習を100分×5日間、担当しました。彼らの悩みは英文を速く読めないということ。しかし、たとえ速く読めて時間内に解答ができたとしても、答えを正しく選べていないことが多いのです。要するに正確に速く読むことができないのです。そこで5日間という限られた時間内で、正確に速く読めるようになることを目標に授業を進めました。

まずは精読

文構造を正しく理解していないのに速読ができるはずがありません。彼らはまだ高校2年生。しっかり精読ができるようになれば、正しく速く読めるようになるはずです。そこで、まずは精読にしっかり取り組むことにしました。以下、生徒に伝えたことです。

精読のメリット

  1. 文章構造の理解:時間はかかるが、文の構造を正しく理解できる

  2. 語彙力強化:文脈の中で、どのようにその単語や熟語が使われているかが分かる

  3. 返り読みの防止:後ろから前へ訳す訳読式から脱却し、英語を語順のまま理解する → 速読・リスニング・ 英作文にも役立つ          

精読の仕方

  1. 意味の分からない文型、単語、イディオム、品詞、文法を把握

  2. 単語は発音(リスニングでも必要)、品詞、訳語を確認 できれば関連語も。

  3. 精読した文章を音読、音声があれば聞く → 英語の語順理解に役立つ 

※2の発音を確認したり、3の音読などは授業内ではできませんが、自宅学習の際に取り組むよう伝えました。       

英文解釈の技術として精読で意識して欲しいこと (授業内で実践)

  1. SVの把握:文が長くなるとSVを見失いがちなので、SVが際立つよう処理する

    →(前置詞+名詞)を( )に入れてしまう:1つの塊として見る 例:(in those days)

   → ,          , という挿入句も( )に入れてしまう      

   → 関係詞の支配範囲を[]でくくる  例:a tree[that is found only in Africa]

※慣れてきたら、括らなくてOK

  2. 知らない単語に印をつける:最初は自力で文の流れから意味を推測

  3. 代名詞の中身をはっきりさせる it / theyなど:「それ/それら」とは何か?

  4. and /but /or に注目:関係をしっかりとらえる (とりあえず、今回はこれだけ)

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英文解釈の技術

速読に挑戦

時間を意識して読む

精読も決してダラダラ時間をかけてよいものではありませんが、ある程度時間はかかります。最初の数日は精読をしっかりやり、文構造などに慣れてきたところで、比較的読みやすい英文を使って速読に取り組みました。私が時間を設定し、ストップウォッチで計りました。限られた時間内で解き終える練習です。

問題を速く解くための戦略

速く読む練習と合わせて、速く解き終わるためにどうすべきかということも伝えて、最終日までには時間内に正確に解き終わることを目標としました。時間内に解き終わらない原因は、語彙力・英文解釈力不足で内容がスムーズに理解できずに速く読めないことも原因の一つですが、答えを探しながら読めていないということもあります。以下のことに気を付ければ、何度も読み返す必要がなくなり時間は節約できます。

1. 設問に目を通し、どういうことが問われているのか、そのためにどのパラグラフをしっかり読めばいいのかを把握

2.飛ばし読みをするにしても、最初の数行は必ず読んで、どんな話が始まるのかを把握

3.一文一文読んでいくのではなく設問に答えるために読まなければいけない箇所を自分で判断して読み、設問に答えていく。

4.内容一致問題・正誤問題は、少し読み進んだところで、答えられるものがないかその都度確認。そうしないと、また最初から読まなければいけなくなる。

復習

授業終了後に取り扱った英文の和訳を配布

  1. もう一度、英文をよく読み不明点を確認:今後、同じ問題は出なくても同じテーマは出題されるため、単語・熟語は同じものが出る可能性あり。
  2. 和訳との突き合わせ:自分の解釈が合っているか確認。下線訳は特に理解を深める。
  3. 音読:ここまでできればなお良い。精読後で内容理解がかなり進んでいるため、音読もしやすいはず。

教師が手伝えること

語彙力の強化

英文を読んで問題を解き、答え合わせをして解説を読むだけなら、自分ひとりでもできる生徒は多くいます。では、教師が彼らのためにできることは何かと考えたときに、真っ先に思いつくのは語彙力の強化です。英文で出てきた単語や熟語の重要性までは彼らには分かりません。多くの入試問題に触れてきた教師なら、どの程度、それらが重要かも把握しているので、関連語もどんどんインプットしてあげられます。自分で調べることも大事ですが、自分で一から調べるより効率がいいので、反対語、同義語、言い換え表現など、重要なものはどんどん伝えます。伝えたものが、次の日の英文で出てきたら、すかさずremindします。私は「鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁」をよく利用しています。

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語彙力強化

英文解釈を間違えそうな箇所の説明

生徒たちがよく混乱しているのはthatの用法です。that には様々な使い方があります。特に長文では関係代名詞、接続詞の同格、強調構文などが苦手なようです。せっかく暑いのに頑張って講習を受けに来ているので、今回はthatの用法も出てくるたびに指摘しました。やはり、問題を解いてすぐに解説を聞くと頭に入りやすいようです。もちろん、あやふやな文法知識はしっかり文法書で確認しておくことが大事です。

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